育児・介護休と更新や年限
区は育児・介護休の取得を理由に不利益に扱うことをしないと連帯労働者組合・杉並との交渉で明言しています。育児・介護による私事欠勤の3倍換算も2017年度からやめました(ただし1倍の換算は残っています「6年の年限内でも更新されないことがある」)。
過去に、妊娠を機に退職したり、育児での欠勤が更新基準に引っかかって更新を拒否された非常勤の仲間がいたことを思うとき、無給ではあっても育児・介護休が実現したことは大きな前進といえます。
① 更新や年限との関係
区の通知によれば、育児休業、介護休暇(長期)を取得できる者として以下のように規定しています。この規定は国の非常勤にも共通するものです。
ポイントは更新や再採用が「見込まれる者」は利用できるということです。つまり休業取得前に更新基準に抵触するような勤務状況でない限り(参照「6年の年限内でも更新されないことがある」)、更新時期や年限がきていても、利用できます。
≪育児休業≫
◆子の1歳6か月に達する日までに、任期満了・更新(再採用)不可が明らかでない者
※子の1歳6か月を越えて特定職(=任命権者が同じ職。つまり杉並での仕事)に引き続き在職することが見込まれる者(~任期が更新されないこと、特定職に引き続き採用されないことが明らかな者を除く。保育園に入れなかった等の事情で、2歳まで申請が可能な人の場合は上記の1歳6か月を2歳に読み替え)
≪介護休暇(長期)≫
◆介護休暇の最長の取得期間(93日)までに、任期満了・更新(再採用)不可が明らかでない者
※~93日を経過する日を超えて特定職に引き続き在職することが見込まれる者(~任期が更新されないこと及び特定職に引き続き採用されないことが明らかである者を除く)
② 取得期間が年度をまたぐような場合
≪雇用年限内の場合≫
育児・介護休とも取り扱いは同じです。年度末でいったん休業(休暇)を終了し、再度年度明けに取得しなおす手続きがとられます。
≪雇用年限満了の年の場合≫
育児・介護休とも取り扱いは同じです。休業(休暇)中でも応募し、面接を受け、再採用される必要があります。職場によって違いますが、採用内定は通常2月頃には出ます。新年度に手続きを行い、休業(休暇)を取りなおします。
≪課題と今後にむけて≫
いずれにしろ1年契約の問題に加え、ここでも雇用年限があることがスムーズな制度利用をさまたげ、その結果、積極的な取得を阻害している、といえるのです。ここでも私たちは雇用年限の撤廃を強く訴える次第です。
先行した取得事例が少ないこと、特に「年度またぎ」や「年限またぎ」の事例はまだ少ないことから、この制度を利用する希望のある非常勤の方と取りくみをすすめたいと考えています。