法律上の規定では、会計年度任用職員はフルタイムもパートタイムもおけることになっています。
フルタイム会計年度任用職員は、常勤と同じ時間働かせることができ、職種も問いません。賃金設定を低くし1年で任用を打ち切ることもできます。これでは常勤職員との置き換えを促進するので、多くの自治体労働組合は警戒しています。
杉並区の条例上もフルタイム会計年度任用職員が設置できる規定になっていますが、現在、杉並区にはフルタイム会計年度任用職員はいません。杉並区では、旧パートタイマーを「短時間」、旧嘱託員を「一般」と呼んでいるので、とても紛らわしいですね。杉並区の会計年度任用職員は全て「パートタイムの会計年度任用職員」なのです。
23区ではフルタイムの会計年度任用職員を導入しているところもあり、2区で49名が働いています(2020年4月1日時点)。
現時点でも常勤と同等の担当業務をしている会計年度任用職員は多く、区がフルタイム会計年度任用職員の導入を決断すれば、いっそう常勤職員との置き換え圧力は強まります。
つまりフルタイム会計年度任用職員の導入は、非常勤職員だけの問題にとどまらず、区の雇用を大きく流動化させる要因となるものなのです。