呼び方 2019年度まで ⇒ 2020年度から
嘱託員(通称:嘱託) ⇒会計年度任用職員(一般)
パートタイマー(通称:パート) ⇒会計年度任用職員(短時間)
専門非常勤 ⇒(左のうち労働者性ある人)会計年度任用職員(専門職)
臨時職員(通称:アルバイト) ⇒会計年度任用職員(臨時)
各カテゴリーごとの違いについて
2020年度の会計年度任用職員制度のスタートあたって、私たちが出会うほとんどの非常勤職員は、地方公務員法22条の2の規定に基づく「会計年度任用職員」に移行しました。地公法上の分類では一般職となります。
会計年度任用職員にはフルタイムとパートタイムがあり、杉並区では条例上、どちらも雇えるようになっていますが、現時点ではフルタイムはいません(詳細「フルタイムの会計年度任用職員」)。
※非常勤職員とは、常勤職員のおおむね4分の3以下の勤務時間で働く職員です。非常勤職員には、医師や弁護士などの「専門非常勤」が特別職として残っています
「一般」(旧嘱託員)は 常勤と同じ1日7時間45分で月16日(例外的に12日の人や8日の人もいます)働く人たちです。一般と言ってもフルタイム会計年度任用職員のことではありません。
かつて常勤を退職した再雇用嘱託員と、再雇用嘱託でない一般の嘱託員がいました。再雇用と区別するために一般の嘱託員を若年嘱託員とも呼んでいました。※再雇用嘱託員制度は2019年度末をもって廃止
主に児童館、学校事務・栄養士などで約900名が働いています。最近の特徴としては、保育士や事務系の嘱託員が増えてきたこと、増加・困難化する貧困問題に対応して、福祉事務所で専門的な業務を行う嘱託員が増えていること、などです。
「短時間」(旧パートタイマー)は 1日7時間45分より短い時間で働く人たちです。必要な仕事に応じて1日2時間、3時間、5時間、6時間と様々です。1週間の労働日数も3日、5日、6日、といろいろです。主に保育園、児童館、学校などで約1200名が働いています。
「一般」と「短時間」の違いは?
ともに労働時間は平均して週30時間以内となるよう設定されます。一番の違いは1日の労働時間です。嘱託は常勤と同じ7時間45分ですが、パートは6時間以下になっています。単に労働時間が違うだけならまだよいのですが、違いはこれだけにとどまりません。雇用年限は2007年度までは3年、2008年度から嘱託と同じ6年にそろえられましたが、賃金をはじめ各種休暇などで格差があります。
「臨時」は?
「臨時」とは「1年以内の臨時的・季節的な業務」に限定して雇用される人たちです。産休や病休の代替、夏休みの業務量増、などがその例です。あくまで「1年以内の臨時的・季節的な業務」のためですから、雇用期間は最大でも1年をこえることはできません。1年をこえて雇用する必要がある業務には、常勤か別のカテゴリの会計年度任用職員を採用しなければなりません。
「専門職」は?
「一般」のカテゴリで働く場合でも専門資格や専門性の必要な職種があります。杉並における会計年度任用職員(専門職)とは旧専門非常勤から移行した人たちのことです。
制度移行前(2019年度)までの区の説明によれば「専門非常勤」は労働者性を有しない職、勤務管理を要しない職とされていました。旧パート・嘱託などの「一般非常勤」とは賃金体系も違い(日額式)、雇用年限がない一方、通勤手当もなければ、年次有給休暇をはじめとして「一般非常勤」に認められている各種休暇がありませんでした(例外的に夏期休暇のみ制度化されていました)。
旧専門非常勤の代表的な職種は学校医や保育園医、区政相談課の弁護士などでしたが、近年、スクールカウンセラーなど労働者性のある人たちの数が増え続けていました。これらの旧専門非常勤の労働条件について、連帯労働者組合・杉並では大きな問題意識をもっていたのです(詳細『「専門職」の移行時問題』)。
このうちの労働者性のある人たちが会計年度任用職員(専門職)となったわけです。
2020年度からの変更
名称は上記のように変わりましたが、各グループごとの位置づけや基本となる労働条件は変わっていません。ただし旧専門非常勤から会計年度任用に移行した大半の人たちは、雇用年限が付されるという労働条件の大改悪がありました(詳細『「専門職」の移行時問題』)。
【ことば】一般職、特別職って?
地公法による分類です。
一般職は労働基本権の制限があるかわりに、手厚い身分保障と給与勧告などの代償措置があります。ほぼイコール常勤職員たちと理解していいです。
特別職は民間企業で働く労働者と同様、ストライキ権を含め労働基本権三件の全てがあります。労働委員会で不当労働行為が認定されれば救済がはかられます。
全国の自治体では2020年以前でも一般職の非常勤が多くいましたが、23区には一般職非常勤はいませんでした。しかし、2020年度、23区のほとんどの特別職非常勤職員が会計年度任用職員に切り替えられたことによって一般職となりました。
現在杉並区でも、特別職の非常勤職員は校医や園医、学校運営協議会委員など、限られた人たちになっています。